口腔内の予備知識 Knowledge
しっかり噛んで生活習慣病を予防
噛まない、噛めない子どもたちが増えています
たった一人で食事をする「孤食」の子どもたちが増えています。
保護者の方はお仕事、子どもたちは塾通いや習い事で忙しい日々を送っています。家族であリながらみんなの生活ペースがばらばらになっているので、食事も偏りがちです。時間がないため、簡単にできて軟らかく食べやすいインスタント食品やレトルト食品に頼ってしまいます。その結果、子どもたちは噛まない、または噛めなくなります。
噛まない、噛めないと…
・肥満になリます
お相撲さんがよい例です。お相撲さんは体重を増やすために噛まない食事を習慣にします。
・歯列不正にもなります
噛まないことで顎が未発達になります。スマートな顎は格好良いかもしれませんが、歯の並びを崩してしまいます。歯を支える顎が小さくなるため、歯が正しく並びません。
・子どもたちも生活習慣病に?
日本人の死亡原因の約65%が「がん」「心臓病」「脳卒中」「糖尿病」などの生活習慣病です。その要因となっているのが、食生活や肥満です。
・歯周病や虫歯の原因になります
歯列不正では、正しい歯磨きが難しくなります。その結果、虫歯が発生したり、歯周病にかかったりしてしまいます。
噛むことの8大効果
しっかり噛むことは顎や歯の発達ばかりでなく、全身の健康に大きく影響します。その効用を端的に表現したのが「ひみこのはがい~ぜ」※です。
※学校の食事研究会/阿部祐吉
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ひ肥満防止
噛むことで自然な食欲抑制メカニズムが働いてダイエット効果が生まれ、生活習慣病の予防につながリます。
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み味覚の発達
「噛む」ということは「味わう」ということです。味覚も噛むことで発達します。
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こ言葉の発音が明瞭に
噛むことで顔面全域の発達や口腔内が正常に発達し、言葉の発音もはっきりします。
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の脳の発達
噛むことによる筋肉運動で脳細胞の代謝や活動が活発になり、脳への血液循環もよくなります。
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は歯の病気予防
歯を支えている歯周組織や顎が発達するだけでなく、歯の清掃効果も生まれます。
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ががん予防
噛むと唾液が促進されますが、その唾液と粉々になった食べ物が混ざることで、食品中の発がん性が抑制されるといわれています。
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い胃腸の働きを促進
食品を噛み砕くことで胃腸への負担が和らぎ、胃腸の働きを活発にします。
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ぜ全身の体カ向上
全身に力が入って体力を向上させます。
一口30回、一度の食事で1,500回
皆さまは普段の食事でどれくらい噛んでいますか?
食事のとき、お子さまの咀嚼(そしゃく)回数を数えてみてください。
子どもが食べるのが遅いと「さっさと食べなさい」という言葉を使ってしまいがちですが、ゆっくり時問をかけて食べることも噛むことに通じます。しっかり噛むための目標は、一口で30回、一度の食事で1,500回となります。
しっかリ噛んで長生きをしましょう
・ダイエット
よく噛むことによって、唾液の作用でご飯やパンにも甘さを感じてきます。これは肝臓に貯蔵されている糖が血液中に放出され、血糖値が上昇するからです。脳で満腹を感じる物質が増加して、食べすぎを防いで肥満防止になります。ダイエット効果を期待できるほか、生活習慣病も予防できます。
・唾液の分泌を促進
噛むことは、唾液の分泌を促進することにもなります。
唾液には多くの作用が含まれ、健康を支えています。唾液成分のひとつであるラクトペルオキシターゼは、発がん性を減少させる効果があるとされています。食品にはさまざまな発がん性物質が含まれていますが、多品目(30品目)をしっかり噛んで睡液と混ぜることで、がん予防にもつながります。
・脳の活性化
噛むことは脳と連係することでもあります。食べ物の情報を脳に送り、強くまたは弱く噛むなどの司令が脳から出ます。さらに、噛むことの筋肉運動で脳細胞の代謝が活発になります。脳への血液循環がよくなり、充分な酸素と栄養が運ばれて脳の発育を促進します。噛んで脳をますます活性化させましょう。
お子さまの口腔ケアについて
よい食生活でよい歯が育つ
歯は、好ましい食生活で守るのが基本です。とくに、甘いものの取り方に気をつける必要があります。そのためにも、三度の食事をきちんと取ることが大切です。もし虫歯があっても、今から実行すれば新たな虫歯を防ぐことができます。よい食生活でよい歯を育てましょう。
歯みがき4つのポイント
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1.虫歯は夜に作られます
その日の汚れは、その日のうちに落としましょう。
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2. 虫歯ができやすい場所をしっかり磨きましょう
歯磨きしているのに、なぜ虫歯になるのでしょうか?
虫歯のできやすい場所の汚れが落ちていなければ、歯磨きをしていないのと同じことです。歯の噛む面、歯と歯の間、歯と歯肉の境目をしっかり磨きましょう。 -
3. 歯ブラシを上手に使いましょう
歯ブラシは磨きたいところへ、直角にソフトに当てます。口の大きさにあった歯ブラシを選びましょう。
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4. 歯磨き粉はつけなくても大丈夫
仕上げ磨きの妨げになるので、歯磨き粉をつけなくても大丈夫です。
子育てと歯の健康管理の7つのポイント
よい歯を作るための理想的な条件です。規則正しい生活と毎日の努カの積み重ねが実を結びます。
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・妊娠中
よく動いて運動不足にならないようにし、偏食なく明るく健康的に過ごすのが理想です。
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・母乳
母乳がよく出るように努カし、人工乳にばかり頼らないようにしましょう。
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・離乳食
早すぎたり遅すぎたりせず、適切な時期に離乳してください。
加工品に頼らず、上手な離乳食にしましょう。
薄味を心がけて甘味に偏らないようにしましょう。 -
・しつけ
上手でリズミカルな育児と規則的な生活を心がけてください。
適切な時期に母乳や哺乳瓶をやめ、ダラダラと続けないようにします。
スプーンとコップを上手に使うようにしつけましょう。
周囲の人たちは、甘やかしすぎないように注意してください。 -
・食事とおやつ
自然な味を覚えさせ、野菜嫌いにしないようにしてください。
糖や食塩の多い加工品をできるだけ避けます。
甘いもの一辺倒で、一日中ダラダラと与えないようにします。
スナック菓子やジュース類の買いだめをしないようにしてください。
お茶が好きになるように育てましょう。 -
・歯への関心
お子さまのお口の中を覗く習慣をつけ、歯に無関心にならないようにしてください。
歯ブラシに慣れさせ、食べたら磨く習慣を身につけましょう。
ご家族の方が磨いてあげましょう。寝る前の歯磨きは念入りにします。
定期的に歯科医院で検診を受けてください。 -
・よく噛む習慣
食事を急がず、楽しく食べさせてください。
ジュースや牛乳と一緒に、流し込み食いさせないようにしましょう。
よく噛む習慣を早くから教えてください。
軟らかい食品に頼らず、歯ごたえのあるものも与えます。
健やかな老後はお口の健康から
口臭対策と入れ歯の手入れ
お口の中のにおいは、入れ歯についた歯垢や歯石が一因になります。口臭を防ぐためには入れ歯をきれいにし、お口の中を清潔にする必要があります。
・全身とのかかわリ
お口の中が不潔になると、食べ物がおいしく感じられず食欲がなくなります。食べないと活力が失われて、全身に影響を及ぼします。
ブクブク!ペッ!ができますか?
高齢者はお口の中をきれいに清潔に保つことによって食べ物をおいしく食べられ、健康になって生きる活力が生まれてきます。お年寄りが健康で長生きできる社会が、私たちの希望でもあります。
・歯の磨き方
毛先を歯面に直角に当てて、小刻みに動かします。
・上手なうがいのさせ方
お口の中を水で洗い流すことで、清涼感が感じられます。寝たきりの場合は、水が喉に入らないように顔を横に向け、吸いのみを使ってうがいをさせます。
・お口のトレーニング
舌や頬を動かすことで口周りの筋肉が鍛えられます。それにより、噛む力も向上します。
お口の中の疾患(がん・かび)
・お口の中にもがんはできます
お口の中が不潔なままだと、舌がん、歯肉がん、カンジダ症などを引き起こすことがあります。それらを予防するために、お口の中はいつも清潔にする必要があります。
・お口の中にかびが生えます
お口の中には、カンジダ菌が生えることもあります。
・お口から肺炎を起こすこともあります
誤って食べ物と一緒に肺の中に飲みこまれた細菌が、肺炎を引き起こすことがあります。
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